【8月総括】巨人の8月を振り返る 佐々木俊輔と森田駿哉、阪神戦で残った課題
8月の巨人は12勝14敗。得失点差はプラス14だった一方で、阪神には6戦全敗となりました。佐々木俊輔、森田駿哉らの活躍と、9月へ残った課題を1か月の流れから振り返ります。
8月を振り返って最初に残ったこと
8月を見終えて一番強く残ったのは、「チーム全体が悪かったわけではないのに、首位阪神には一度も勝てなかった」ということだった。
巨人の8月は12勝14敗。月間では2つの負け越しになった。
ただ、26試合で102得点、88失点。得失点差はプラス14だった。ヤクルトには5勝1敗、広島には4勝2敗、中日にも2勝1敗と勝ち越している。
それでも月末は首位阪神と4.5ゲーム差の2位。
理由は分かりやすい。8月の阪神戦は6戦6敗だった。
一度は首位とゲーム差なしまで追いつき、その後も1.5ゲーム差まで迫った。それでも、その直後の阪神3連戦をどちらも3連敗している。
追いつけそうになったところで阪神に止められる。
8月の巨人を振り返るなら、やはりここは外せないと思う。
8月のチーム成績
- 26試合
- 12勝14敗
- 102得点
- 88失点
- 得失点差プラス14
- 阪神戦は0勝6敗
- 阪神以外には12勝8敗
- 月末は2位、首位阪神と4.5ゲーム差
数字だけを見ると、12勝14敗という結果以上に戦えていた月だったようにも見える。
その中で特に気になったのが、1点差の試合だった。
8月は1点差になった試合が9試合あり、巨人は1勝8敗。大差で勝った試合が何度かあった一方で、あと1点が必要な試合をなかなか取れなかった。
8月1日のDeNA戦は7-8、2日は1-2。4日の広島戦も3-4で敗れた。18日のDeNA戦は3-4のサヨナラ負け、19日も0-1。23日の広島戦も2-3だった。
打線が大量点を取った試合はある。投手陣が試合を作った日も多い。
だからこそ、僅差をどう勝ち切るかは9月に向けてかなり大事になる。
野手MVPは佐々木俊輔
8月の野手MVPは佐々木俊輔にしたい。
月間成績は25試合で86打数28安打、打率.326。1本塁打、11打点、14得点、5盗塁。出塁率.408、OPS.827だった。
単純にヒットが多かっただけではない。
四球も選び、塁に出る回数が多かった。出塁したあとは足も使える。14得点という数字にも、佐々木が打線の中で何度も得点に絡んでいたことが表れている。
シーズン序盤はスタメンが固定されていた選手ではなかった。それが今は、上位打線に入っていても違和感がないところまで存在感が大きくなっている。
長打を打つ選手とはまた違う形で、打線に必要な仕事をしていた。
8月の巨人打線から一人選ぶなら、佐々木だったと思う。
佐々木俊輔の8月
- 25試合
- 打率.326
- 28安打
- 1本塁打
- 11打点
- 14得点
- 5盗塁
- 出塁率.408
- OPS.827
浦田俊輔の安定感も大きかった
佐々木と同じくらい、8月に外せないのが浦田俊輔だった。
26試合すべてに出場し、101打数29安打で打率.287。10打点、14得点、7盗塁。
1番で出場する試合が多い中、安打を打つだけでなく、足を使って得点につなげる場面も増えた。
長打を期待するタイプではないが、出塁して次の塁を狙える選手が上位にいることで、打線の形は作りやすくなる。
佐々木と浦田が上位に並ぶ試合も増えた。
9月もこの2人がどれだけ塁に出られるかは、打線を見るうえで楽しみにしたい。
ダルベックの長打と松本剛の安定感
ダルベックは8月、打率.221と率だけなら苦しい月だった。
それでも5本塁打、17打点。
三振は多かったものの、一振りで試合を動かせる長打力は、ほかの打者にはないものがある。
8月の野手MVPには佐々木を選んだが、「一番試合を動かした打者」という見方ならダルベックも候補になる。
一方で、松本剛も26試合に出場し、打率.283、26安打、2本塁打、10打点。
92打数で三振は9個。大きく振って長打を狙う選手ではないが、簡単に打席を終わらせず、上位打線でつなぐ役割を続けた。
佐々木、浦田、松本剛。このあたりが塁に出る形を作れれば、その後ろにダルベックや大城卓三を置く打線も組みやすくなる。
9月は誰を何番に置くかも含めて、この並びを見ていきたい。
投手MVPは森田駿哉
8月の投手MVPは森田駿哉。
ここはかなり迷わなかった。
8月は13試合に登板し、12回1/3を投げて自責点0。月間防御率0.00だった。
シーズン序盤は先発でも投げていた森田だが、救援に回ってから安定感が大きく増した。
8月は勝ちパターンだけではなく、ビハインドや接戦でも登板。先発が早く降りた試合でも、森田が1イニングを抑えることで試合を大きく壊さずにつないでいた。
月間13試合に投げて失点ゼロという結果は十分に大きい。
巨人は救援の選択肢が多い。その中に森田が入ってきたことで、ブルペンはさらに使いやすくなったと思う。
森田駿哉の8月
- 13登板
- 12回1/3
- 防御率0.00
- 4ホールド
先発ではハワードが良かった
先発投手ではハワードが一番印象に残った。
8月は4試合に先発して2勝2敗、防御率1.71。21回を投げて22奪三振だった。
勝敗だけを見ると五分だが、内容はかなり良い。
8月7日のヤクルト戦は6回1失点で敗戦。14日の中日戦は6回無失点で1-0の勝利。21日の広島戦も6回無失点で勝利している。
28日の阪神戦は3回3失点で早めの降板となったが、それまでの3登板は先発として十分な内容だった。
援護が少ない試合もあった中で、安定して試合を作れる先発がいるのは大きい。
9月もローテーションの中心として期待したい。
堀田賢慎の連続無失点も残しておきたい
8月前半から中盤にかけて、堀田賢慎の無失点継続も観戦メモで何度も追ってきた。
8月23日の広島戦で失点するまで長い間無失点を続け、救援での安定感を見せた。
先発で投げていた時期とは違い、短いイニングで力のある球を使えるようになったことで、今季はリリーフとして存在感が大きくなっている。
23日に連続無失点は止まったが、それまで積み上げた内容が消えるわけではない。
森田と合わせて、8月は頼れる救援投手が増えた月だったと思う。
一番もったいなかったのは阪神戦
野手にも投手にも良かった選手はいた。
それでも8月を「良い月だった」と言い切れない最大の理由が阪神戦だった。
11日からの東京ドーム3連戦は1-9、1-5、2-3。
28日からの甲子園3連戦も1-4、1-4、1-3。
6試合で6敗だった。
特に甲子園の3連戦は、3試合すべて1得点。村上頌樹、大竹耕太郎、才木浩人を最後まで崩し切れなかった。
阪神以外には12勝8敗なのだから、ほかのチームとの試合で大きく崩れた月ではない。
むしろ、阪神に勝てなかったことがそのまま月間負け越しとゲーム差につながった。
優勝を狙うなら、残りの直接対決ではここを変えなければいけない。
相手の先発が良いことは分かっている。それでも1点だけではなかなか勝てない。
好投手を相手に、四球、盗塁、進塁打、長打をどう組み合わせて点を取るのか。
9月にもう一度阪神と当たるときは、勝敗だけでなく、どうやって先に点を取るのかを見たい。
8月のMVP
総合MVP:佐々木俊輔
打率.326、出塁率.408。25試合で14得点、11打点、5盗塁と、打つだけでなく出塁と走塁でも攻撃に絡んだ。
野手MVP:佐々木俊輔
8月の巨人野手の中で最も安定して塁に出て、得点につなげた選手として選びたい。
投手MVP:森田駿哉
13試合に登板して防御率0.00。救援で1か月失点しなかった結果を一番に評価したい。
総合MVPは佐々木にした。
森田の防御率0.00もかなり迷う成績だったが、佐々木はほぼ毎試合出場しながら打率と出塁率を残し、得点、打点、盗塁にも数字が出ている。
打線の中で関わった範囲の広さを考えて、8月全体では佐々木を一番に選びたい。
8月を終えて
12勝14敗。
数字だけなら負け越しの1か月だった。
ただ、得失点差はプラス14で、阪神以外には12勝8敗。野手では佐々木、浦田が上位打線で存在感を増し、ダルベックは長打と打点を残した。投手では森田が1か月無失点、ハワードも先発として安定した。
収穫はかなりあったと思う。
だからこそ、阪神に6試合すべて負けたことと、1点差試合で1勝8敗だったことが余計に重く残る。
8月は「弱くて負け越した月」というより、「勝てる試合を取り切れず、首位との直接対決で差がついた月」だった。
9月はいよいよシーズン終盤。
8月に出てきた佐々木や森田のような選手がそのまま力になり、僅差の試合を一つずつ取れるようになれば、まだ流れは変えられる。
まずは次のカードから、その変化を見ていきたい。
次カードで見たい3つ
- 1.打線で注目する点佐々木俊輔と浦田俊輔の上位打線
- 2.先発陣で注目する点ハワードを中心とした先発投手陣
- 3.9月最大の注目点阪神戦での得点の作り方
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