選手についての観戦メモ

【選手フォーカス】船迫大雅|2026年HIKESHI賞受賞、巨人のピンチを救う背番号58

2026年のHIKESHI賞でセ・リーグ初代受賞者となった巨人・船迫大雅。50試合登板、防御率2.29、18ホールドの成績に加え、ピンチでの投球を評価された背番号58の歩みを振り返ります。

2026年10月15日、巨人の船迫大雅が、今季新設された「損保ジャパン HIKESHI賞」のセ・リーグ本賞を受賞した。

50試合に登板して防御率2.29、18ホールド。さらに、チームのピンチを救う働きを数値化したHIKESHIポイントで48ポイントを記録し、セ・リーグ1位となった。

リリーフ投手の仕事は、必ずしも試合の最後を締めることだけではない。走者を残した場面でマウンドに上がり、次の1点を防ぐ。船迫は、そんな役割を任されてきた投手の一人だ。

ドラフト5位で巨人に入団してから4年。新人王を経て、今回の受賞に至るまでを振り返りたい。

試合・期間のメモ

  • 日付:2026年10月18日
  • 対象:2023年のプロ入りから2026年シーズン終了まで
  • 選手:船迫大雅(ふなばさま・ひろまさ)
  • 球団:読売ジャイアンツ
  • 背番号:58

この選手に注目した理由

船迫の名前を見てまず思い浮かぶのは、イニングの途中からマウンドへ向かう姿だ。

リリーフといっても、回の先頭から投げる場合と、走者を背負って登板する場合では難しさが違う。後者は、たった一人の打者との勝負で試合の流れが変わることもある。

巨人にはマルティネス、大勢、中川皓太、田中瑛斗、堀田賢慎ら、さまざまな役割を担う救援投手がいる。その中で船迫は、右打者との勝負や、ピンチでの途中登板を任されてきた。

ホールドやセーブの数字だけを見ていると、そうした登板の価値は伝わりにくい。だからこそ、2026年のHIKESHI賞受賞は、船迫について改めて書いておきたい出来事だった。

聖光学院から大学、社会人を経てドラフト5位で巨人へ

船迫は宮城県出身。聖光学院高校、東日本国際大学、西濃運輸を経て、2022年ドラフト5位で巨人から指名された。

高校時代にサイドスローへ転向し、大学でも投手として経験を重ねた。ただ、大学卒業時にはプロ入りせず、社会人野球の西濃運輸へ進んでいる。

高校からすぐにプロへ入った選手とは違い、大学と社会人を経て、26歳でドラフト指名を受けた投手だ。

プロ初登板は2023年3月31日の中日戦。いきなり3者連続三振を奪う登板で、一軍でのスタートを切った。

その2023年は36試合に登板し、3勝1敗、8ホールド、防御率2.70。1年目から救援投手として出番をつかんだ。

2024年は51試合に登板し、セ・リーグ新人王を受賞

船迫の名前がさらに広く知られるようになったのが、2024年だった。

この年は51試合に登板して4勝0敗、22ホールド、防御率2.37。勝ちパターンだけでなく、ワンポイントや接戦など、さまざまな状況で起用された。

143試合すべてで一軍のベンチ入りを果たしたことも、このシーズンを語るうえで外せない。

そして、プロ2年目でセ・リーグ新人王を受賞した。

新人王というとプロ1年目の選手を思い浮かべやすいが、船迫は1年目の投球回が規定の範囲内だったため、2年目も新人王の資格を持っていた。

派手な先発完封やセーブの記録がなくても、年間を通じてブルペンを支える投手が評価された。その点でも印象に残る受賞だった。

2025年から2026年へ。登板を重ねて積み上げた数字

船迫の一軍での年度別成績を並べると、入団から4年間、毎年36試合以上に登板していることが分かる。

  • 2023年:36試合/3勝1敗/8ホールド/防御率2.70
  • 2024年:51試合/4勝0敗/22ホールド/防御率2.37
  • 2025年:57試合/2勝3敗/17ホールド/防御率2.81
  • 2026年:50試合/4勝1敗/18ホールド/防御率2.29

2025年は自身最多となる57試合に登板。2026年も50試合に登板し、4勝1敗、18ホールド、防御率2.29を残した。

2026年の防御率2.29は、入団から4年間で最も良い数字だ。

ただ、船迫の場合は防御率だけで判断するのも少し違う気がする。走者がいる場面から投げれば、前の投手が残した走者を返さないことも重要になる。自分の防御率に表れない仕事があるからだ。

2026年HIKESHI賞。48ポイントでセ・リーグ初代受賞者に

「損保ジャパン HIKESHI賞」は、2026年に新設された救援投手を対象とする表彰だ。

評価に使われるHIKESHIポイントは、奪ったアウトを基礎に、前の投手が残した走者の状況を加点し、自ら出塁させた走者や登板中に許した得点を減点して算出される。

つまり、単に登板数が多い投手や、ホールド数が多い投手を選ぶわけではない。どの場面でアウトを取り、どれだけ得点を防いだかに目を向けた指標だ。

2026年のセ・リーグ最終ランキングでは、船迫が48ポイントで1位。2位は堀田賢慎の47ポイント、3位はマルティネスの42ポイントだった。中川皓太も33ポイントで5位に入っている。

上位3人を巨人の投手が占め、5位にも中川が入ったことは、今季の救援陣の特徴を表しているように思う。

もちろん、HIKESHIポイントだけで中継ぎ投手のすべてを比較できるわけではない。それでも、普段は記録に残りにくい火消しの働きに注目できる点は面白い。

そして、その初代受賞者が船迫だった。

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実際の試合でも見えた、短い勝負での火消し

2026年の登板を振り返ると、船迫らしさが分かる場面がある。

5月23日の阪神戦では、満塁のピンチで登板し、わずか2球でその場面を切り抜けた。

6月21日の中日戦でも、6回2死一、二塁で井上温大の後を受け、サノーを3球で三塁ゴロに打ち取っている。

どちらも、長いイニングを投げた場面ではない。ただ、走者を置いて次の打者を抑えなければならない局面では、短い登板にも大きな意味がある。

既存の観戦メモでも、8月22日の広島戦で、船迫が5対0の完封リレーに加わったことを振り返っている。

こうした一つひとつの登板を積み重ねた結果が、シーズン終了後の評価につながったのだと思う。

サイドスローとスライダー。船迫らしい投球

船迫の特徴として外せないのは、右のサイドスローだ。

同じ右投手でも、上から投げる投手とはボールの見え方や変化球の軌道が違う。特に右打者に対して、横の角度を使って勝負できるのは強みだ。

2026年の球種別データでは、スライダーが投球の半数以上を占める。ストレートやシュートと組み合わせながら、スライダーを中心に投球を組み立てている。

その一方、今季の奪三振率は6.62。2023年の9.90と比べると低くなっている。本人も来季に向けて奪三振率の向上を課題に挙げ、スライダーの変化量や腕のケアについて話している。

火消しの場面では、打たせてアウトを取ることにも価値がある。ただ、走者が三塁にいるような状況では、バットに当てさせず三振を奪えることが大きな武器になる。

2027年は、スライダーがどのように変わっていくのかも見ていきたい。

2027年に期待するのは、変わらずピンチで任される投手であること

巨人の救援陣は、最後を締める投手だけでは成り立たない。

先発が走者を残した場面、右打者との勝負を任せたい場面、イニングの途中で流れを止めたい場面。それぞれに対応できる投手が必要になる。

船迫には、来季もそうした局面で名前が挙がる投手でいてほしい。

もちろん、三振を取る力がさらに上がれば、起用の幅も広がるはずだ。今の役割を大切にしながら、もう一段成長する姿を楽しみにしたい。

船迫大雅を見て感じること

2023年のプロ初登板で3者連続三振。2024年には新人王。2025年は自己最多の57試合に登板し、2026年は初代HIKESHI賞を受賞した。

振り返ると、船迫は入団した年からずっと救援投手として一軍で結果を積み重ねてきた。

中継ぎ投手は、試合の最後を投げなければ注目されにくいこともある。それでも、途中で登板して一つのアウトを取ることで、チームを救う場面がある。

今回の受賞で、そんな仕事に改めて目が向いたのがうれしい。

これからも背番号58がどんな場面で呼ばれ、どんな一球で試合の流れを止めるのか。2027年も楽しみに見ていきたい。

関連する観戦メモ・データ

NEXT

次カードで見たい3つ

  • 1.投球内容で注目する点スライダーの変化と奪三振率
  • 2.起用で注目する点走者を残した場面での起用
  • 3.次のシーズンに期待する点2027年も続く火消しの安定感
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